要旨:通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒の増加や、個別最適な学びの実現に向けた学習面での配慮・支援の一つとして、「習熟度別指導」が行われている。その中で最もきめ細やかな指導が必要とされるグループでは、発達に偏りのある児童も多く在籍しているといわれているが、その実態を調査した研究は少ない。本研究では、指導を受けている児童について、その児童が有する障害種ごとに困難さ等の実態を明らかにし、有効な指導方法を検討することを目的とした。結果、認知面に特性がみられる軽度知的障害や学習障害のある児童に対しては「技能・理解」、行動面に特性がみられるASDやADHDのある児童については「ワーキングメモリ・処理速度」に関連する学習方法への支援が重要であると推測された。また、児童の特性によらず「意欲・態度」が課題になりやすく、動機づけを高める教材作りや活動設定等の工夫の重要性が示唆された。
キーワード:習熟度別指導 学習支援 発達障害 |
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