(調査報告)

インクルーシブ保育における幼稚園教諭の支援者としての価値観の形成

要旨:昨今,インクルーシブ教育への関心が高まっているが,日本のインクルーシブ保育について明確な定義や方法論はなく,園独自の工夫や取り組みによって支えられており,実践に関する悩みや葛藤を抱える者も少なくない。インクルーシブ保育における方法論を確立していくために,まずは保育者のインクルーシブ保育における価値観や悩みを整理し,インクルーシブ保育における姿勢を明らかにすることが求められる。本研究では,都内X幼稚園の幼稚園教諭6名に対しインタビュー調査を実施した。その結果,幼稚園教諭は“集団に子どもを位置付けたい”が“園でできる支援にも限りがある”,“人手の充足は必要だが,誰でもいいというわけではない”といった,子どもの育ちを支える実践や環境,保育者としての願いと葛藤を抱えていた。こうした過程を経て,インクルーシブ保育の在り方への気づきや,子どもに対する視線の変化,価値観の転換などを経験していた。

キーワード:幼児教育   インクルーシブ保育   保育者   インタビュー調査


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