要旨:本調査は通常の学級における情緒障害のある児童について症状の様相と症状に対する効果的な支援の2つの観点から実態調査を行った.通常の学級で情緒障害のある児童の担任をしている教師166名を対象に質問紙調査を実施した.その結果,内在化行動問題(例:不登校・登校渋り,場面緘黙)を示す児童は学校生活全般において不安や緊張を抱えていることから,教師はストレスを引き起こさないよう予防的支援を重視しながら支援にあたっていることが明らかになった.一方外在化行動問題を示す児童(例:かんしゃくや怒りの頻発)は苦手な授業で症状が強く現れる傾向があることが示された.教師は児童に対して症状が起こった後にそれを早く収集することを目的とした事後対応を重視していることが示された.一方内在化行動問題と外在化行動問題も授業中に症状が現れやすいことから,行動情緒面に対する対応だけでなく,学習面における支援も重要であることが考えられた.
キーワード:情緒障害 通常の学級 特別支援教育 |
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